コラム
「個人情報保護と情報セキュリティ」斉藤 寛
●子供
今春からうちの子が小学校に上がった。
朝、近所の小学生5・6人と公園で待ち合わせ、集団登校している。
途中まで見送りに行った妻が、そのなかにあまり見かけない子供を見つけ、話し掛けてみた。
「きみ、どこのおうち?」
「・・・個人情報は教えられません」
小学生から個人情報なんて言葉を聞くとは・・・軽いショックを受けた。
(と同時に、なんて生意気な小学生かとも思った)
そういえば少し前、入学準備でランドセルをはじめ学童用品を揃えたのだが、その際、防犯ブザーも購入した。
それを近所の別のお母さんに話したところ、そこの子供には最新のGPSケータイを持たせた、と言っていた。
小さな子供でも、個人情報やセキュリティを意識しながら、自分の身を守っていく、今はそういう時代なのだろう。
●仕事
話は変わるが、仕事周りでも最近、こんな事があった。
会社が委託されてやっているごく小さなネットカフェ。
そこではインターネットを楽しむ人もいれば、書類を持ち込んで表計算ソフトを操って仕事をしていく人もいる。
そのなかのひとりの常連客(たまに雑談に興じた)、ある日を境にめっきり来なくなった。
もっと居心地のよい場所を見つけたのかなー、なんて思っていたのだが、しかし先日たまたま来店されて、こんな事を話していった。
「会社が、データをUSBメモリに移して社外で仕事をするのを禁止した。外で仕事ができなくなった」
組織も、個人以上に情報管理に責任を負う世の中だ。
●これから
かつて「水と安全はタダ」と言われるほど世界一暮らしやすいといわれてきた日本、今後はどうなっていくのか・・・。
私は小市民として、心配になってしまう。
「日経セキュリティなんて雑誌が創刊される」
「ユニクロで防弾チョッキが発売される」
「催涙ガスが消火器並に普及して、学校にも設置が義務付け」
(・・・みんなジョークです。しかしこのなかのいくつかは、そのうち現実になるかも)
仕事も、情報漏洩やウイルス感染など、セキュリティ事故やIT犯罪に関わる事案が多くなるのでは、と予想している。
「こんな風な情報システムを導入すれば、業務が効率化されて、コストと時間が削減されて、人材も育って・・・いい事いっぱいありますよ!」
なんて、夢のある明るい未来の話をしたいのに、
「こんな風な情報セキュリティ対策をしないと、顧客情報が、ウィルスが、会社の信用が・・・悪い事いっぱい起こりますよ!」
なんて、現実の暗い話ばかりしないといけなくなるかもしれない。
ふだんの暮らしや生活では、さらに予想もできない面倒が出てくるような気がする。
「この壷を買わないとプライバシーが保てません」なんて輩も出てくるだろう。
つくづく現代は複雑度が増した、生きにくい時代だなあと、思う。
しかし時代は時代、現実には別の時代を選んで生きる事はできない。
食でさえ安全でなくなっている。
あれほど健康によいからと飲まされてきた牛乳が、実は体に悪い飲まないほうがよいという人が出てきたり。
世の中は変わっているのだ。
考えを切り替えて、できるだけの用心をしながら、しかし用心しすぎて利便や楽しみを損なう事がないように、最善と思う判断をしながら前に進んでいくしかないのだろう。
まあ、スリルのある世の中も、エキサイティングじゃないか、と。
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